本学では、優秀な成績を収めた学生及びその行為が社会的に高く評価される等、学生の模範となりうると認められた学生に対し、学生表彰を行っております。
令和2年度は、生命環境学専攻から2名の学生が表彰対象となり、新型コロナウイルス感染対策として、2月18日(木)に本専攻のみで表彰式を行いました。受賞者の皆さん、おめでとうございます。
【学生表彰(学術研究活動)】
食物・ワイン科学コース 猪狩 太基さん
地域環境マネジメントコース 市川 祐実さん

表彰式の様子
令和2年12月5日(土)~6日(日)に開催された、日本ブドウ・ワイン学会2020名古屋大会において、大学院修士課程生命環境学専攻 食物・ワイン科学コース2年の猪狩太基さん(指導教員: 奥田 徹 教授)が大会発表賞を受賞しました。
日本ブドウ・ワイン学会は,ブドウ・ワイン産業に関する国内唯一の専門学会として毎年1回,全国のワイン産地で開催されておりますが,本年はオンラインでの開催となりました。選考委員会の厳正な審査の結果,猪狩さんの受賞(全体で1件)が決まりました。
猪狩さんの受賞テーマは「ブドウ中の BSA 非沈澱性タンニンの分布および醸造中の挙動」です。本研究は赤ワインのポリフェノールの中で,これまで報告の無いBSA 非沈澱性タンニンの原料ブドウ中での分布と抽出挙動を調べたもので,赤ワインのポリフェノールの1/4を占める重要なポリフェノールの性質を明らかにしたものです。
受賞した猪狩さんは「先生方や研究室の仲間など、たくさんの方々に支えられて受賞することができました。ありがとうございました。」と話しています。
受賞おめでとうございます。

令和2年11月15日(日)~16日(月)に開催された、新学術領域研究「植物構造オプト」第2回若手の会において、大学院修士課程生命環境学専攻・地域環境マネジメントコース1年の市川祐実さん(指導教員: 島 弘幸教授)が優秀発表賞を受賞しました。
この若手の会は、科研費・新学術領域「植物構造オプト」が主催したオンライン型の研究集会で、同領域に所属する計画班12グループ、公募班12グループから計102名が参加しました。ここで発表した学生・教員の中から、投票によって選ばれた若干名に対して、優秀発表賞が贈られました。
市川さんの受賞テーマは「樹枝の応力均一分布に関する一考察」です。自然に繁茂する樹木は、枝先の葉に十分な太陽光が当たるように枝を伸ばしつつ、過度な力学的負荷がかからないよう自律的に力学的最適構造を形成していると推測されます。市川さんは、この最適構造を解明すべく、枝の幾何形状や荷重条件と力学応答の相関関係を解析し、研究成果として報告しました。
受賞した市川さんは「今回優秀発表賞に選出して頂き、ありがとうございます。一生懸命準備をしたことが認められて大変嬉しく思います。島教授をはじめ、ご指導、ご協力頂いた方々に心より感謝申し上げます。」と述べています。
オンライン集会の集合写真(写真の引用元)
第25回山梨科学アカデミー賞・奨励賞表彰式が、11月16日(月)にベルクラシック甲府で開催され、地域社会システム学科の菊地淑人准教授の研究が、山梨科学アカデミー奨励賞を受賞しました。同賞は、学術研究、技術開発及び教育等の分野において優れた成果を収め将来を嘱望される、山梨県に関わりを有する個人又はグループに対して贈られるものです。
受賞テーマは「「文化的景観」の価値及び活用手法に関する研究」です。人と自然のかかわりのなかで育まれてきた景観(文化的景観)の価値評価や活用手法等に関するこれまで進めてきた調査研究の成果や地域への貢献が評価されたものです。
受賞した菊地准教授は、「今回はこのような賞を頂戴することができ、大変うれしく思っております。今回の受賞を糧として、今後も歴史文化を活かした持続可能な地域づくり、観光地形成等に資する調査研究を重ねてまいりたいと考えています。」と話しています。

受賞した菊地淑人准教授(中央)

表彰状及びメダル
地域食物科学科(ワイン科学研究センター)の榎真一助教と東京農業大学生物資源ゲノム解析センターの共同研究チームによる、日本固有の醸造用白ブドウ品種「甲州」のゲノム解析に関する研究が国際学術誌「Frontiers in Plant Science」に掲載されました。国際ブドウ・ワイン機構に2010年に登録されている「甲州ブドウ」は、主に山梨県で栽培されている日本固有の欧州系白ブドウ品種です(図1)。近年、これを原料とした「甲州ワイン」は、国際コンクールで受賞されるなど注目を集めています。特徴的なピンク色の果実の甲州ブドウを醸造した甲州白ワインは、柑橘系の香りと程よい酸味やわずかな渋みなど繊細な味わいを持ちますが、それらの特徴に影響を与えている「甲州ブドウ」の遺伝的な特徴は、これまで未解明のままでした。
そこで榎助教らは、東京農業大学との共同研究により、甲州の全ゲノム情報を初めて解読し、その他の醸造用ブドウ品種とゲノム情報を比較することで甲州の遺伝レベルでの特徴付けに成功しました。その結果、甲州の系統関係はその他の欧州系醸造用ブドウ約130種とは離れた独特なものでした(図2)。また赤ワイン用品種Tannatと食用や加工用にも使用される白ワイン用品種Thompson Seedlessと比較して、甲州は機能性が異なると推定される複数の遺伝子が発見されました(図3)。それらは、特にポリフェノールや柑橘系の香りに関係することが明らかになり、これまで言われているような甲州ブドウの特徴がゲノムレベルで科学的に裏付けられました。研究の成果は、甲州ワインの品質向上のための情報基盤となる他、ブドウの研究やワイン産業における甲州の遺伝資源としての利用促進への貢献が期待できます。
この研究成果は原著論文として国際学術誌「Frontiers in Plant Science」に11月5日付で掲載されました。電子版は既に公開されていますので、詳しくは学術誌ウェブページをご参照下さい。
「Genomic characterization of Japanese indigenous wine grape Vitis sp. cv. Koshu.」
Keisuke Tanaka, Yu Hamaguchi, Shunji Suzuki, Shinichi Enoki* (*責任著書).
(https://doi.org/10.3389/fpls.2020.532211)

図1 日本固有の醸造用ブドウ品種「甲州」
主に山梨県で栽培されている、特徴的なピンク色の果実も持つ白ワイン用品種。柑橘系の香りと程よい酸味やわずかな渋みなど繊細な味わいの「甲州ワイン」ができる。

図2 甲州ブドウの系統樹
甲州と他の欧州系品種との全葉緑体ゲノムを比較した系統樹。欧州で有名な食用・白ワイン用品種の「Thompson Seedless」や赤ワイン用品種の「Tannat」などの他の品種と比べて「甲州」はどのグループにも属さないユニークな系統関係を示した。

図3 甲州ゲノムの機能的特徴付け
各品種のゲノム比較により、甲州はポリフェノール生成に関するフェニルプロパノイド経路において、赤ブドウのような変異が見られるなどの特徴を示した。