2012年05月21日
発酵技術により廃棄果実などからバイオディーゼル燃料を生産する実証実験がスタートしました

 長沼孝文生命工学科研究員の研究グループは、山梨県南アルプス市と共同で、酵母を使った発酵技術により、廃棄果実などからバイオ燃料を生産する実証実験を開始しました。
 長沼研究員の研究室ではこれまで、土の中に生息するLipomyces starkeyi(リポミセス スターキー)という酵母が、体内に取り込んだ糖分を油脂(中性脂質)に変換して蓄積することを見出し、その機構の解明と産業への利用について研究してきました。

 油脂生産酵母Lipomyces starkeyi(リポミセス スターキー)

 平成19年には、長沼研究員らが提案した「酵母による木質系バイオマスの軽油代替燃料変換に関する研究開発」が我が国の先導技術開発テーマの一つに選ばれています。
 今回の実証実験は、傷が付くなどして出荷できなくなったスモモやジャガイモなどの廃棄農作物を原料として利用します。果実やジャガイモの主成分である糖やデンプンはリポミセス酵母の代謝(たいしゃ)により効率よく油脂に変換することができます。生産された油脂からは、エステル化という化学的工程を経てバイオディーゼル燃料(BDF)を精製します。
 今後は廃棄農作物の種類による違いや培養条件など、より効率よく油脂をつくる方法を研究し、実用化を目指していきます。生産されたBDFをトラクターや農業用ハウスの暖房に利用することでカーボンニュートラルを実現可能です。この試みは、地域が核となった再生可能エネルギーの新しい生産、利用システムの構築を先導するうえで各界から注目されています。

 植物油脂生産の概略
 


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