(社)山梨科学アカデミー会長・山梨大学名誉顧問 大村智博士の講演会が6月10日(月)甲府東キャンパスA2-21教室において「微生物の働きを人類の福祉と健康のために-Avermectin / Ivermectin 物語-」と題して開催されました。学生を中心に教職員を合わせて300名を超す聴講がありました。
大村智先生は本学学芸学部(現教育人間科学部)の卒業生で、当初は発酵生産学科(現生命工学科)助手として教育研究にあたられていたこともあります。現在、日本学士院会員、北里大学特別栄誉教授、女子美術大学理事長等の要職に就かれています。
これまで北里研究所、北里大学を基盤に、微生物が生産する抗生物質などの天然有機化合物の研究を45年余りに亘って続けられており、400種を遥かに超える新規化合物を発見、そのうち25種もが医薬、農薬、動物薬、研究用試薬として実用化され世界中で使用されています。特に「イベルメクチン」はアフリカの風土病であるオンコセルカ症やリンパ系フィラリア症に極めて優れた効果を示し、年間2億人以上に投与され、病気の治癒に貢献しています。
大村智先生はそれらのご功績により、平成24年度文化功労者に顕彰されました。また、その他にも紫綬褒章、紺綬褒章、瑞宝重光賞、日本薬学会賞、ローベルト・コッホ金牌(独国)等、国内外から数々の栄誉を受けられています。