【研究テーマ】有用物質生産を目的とした微生物高度活用技術の開発

山梨大学 生命環境学部 生命工学科
准教授 大槻 隆司
ホームページ http://www.ab11.yamanashi.ac.jp/ABF/No4/index.html
微生物を利用した環境調和型技術の開発
                               山梨大学 生命環境学部 生命工学科担当
         教授 宇井 定春(ui@yamanashi.ac.jp
         准教授 野田 悟子(nsatoko@yamanashi.ac.jp
         准教授 大槻 隆司(tohtsuki@yamanashi.ac.jp
 
微生物に学ぶ
 自然環境中のあらゆる所には膨大な種類の微生物がたくさん棲息しており、わずか1グラムの土の中にも、10億の微生物がいると言われています。古くから私たち人間は、微生物の持つ機能を利用して来ました。漬け物や奈良時代から伝わる藍染めにも微生物が関係しており、発酵という機能により漬け物にうま味が出たり、染物がうまくできたりするのです。自然環境中の微生物の中には、まだ知られていないすごい能力を持つ種類がたくさんいると予想されています。そのような微生物の能力を学び、利用することで、地球に優しい環境調和型社会をつくることができるのではないかと期待されています。当研究室では分子レベル、細胞レベルの両面から、微生物機能の謎を解き明かし、応用することを目的としてさまざまな研究を行っています。
 
構造情報に基づく酵素の分子設計
 多くの物質には、同じ構造式であっても、官能基の付く向きの違いによって光学異性とよばれる構造の違いがあります。光学異性体は性質が異なるために、工業製品や薬品をつくるときにはとても重要になります。例えば、うま味調味料として有名なグルタミン酸はL体で、光学異性体のD体ではうま味を感じません。光学異性体は構造が同じであるため、化学的に合成仕分ける事は難しいのですが、微生物は効率的に合成を行います。私たちは、2,3-ブタンジオールデヒドロゲナーゼという酵素をモデルに、酵素がどのようにして光学異性体を作り分けるのかを分子レベルで調べ、その情報をもとにして様々な物質の異性体を効率的に造るための基礎研究を行っています。
 
 
 
  
環境微生物の機能の解明と利用
 自然環境中の微生物は、地球規模での物資循環に関わっています。物質循環の主役である微生物の機能を利用、制御することで、環境修復や温暖化を初めとした環境問題に貢献できるのはないかと期待されています。
 石油等の化石燃料に対し、植物等に由来する再生可能な資源はバイオマスと呼ばれます。バイオマスをエネルギーや各種有機材料に変換して利用することができれば、環境問題に大きく貢献できます。しかし、穀物等の食糧と競合するバイオマスは、価格の上昇等が問題となっています。しかし、非可食性のバイオマスの利用は難しく、有効利用にはさらなる技術開発が必要とされています。私たちは、エネルギー源の多元化と廃棄物の有効利用を目指して、微生物を利用したバイオマスの利用技術の開発を行っています。
 今までの生物工学は、有用な生物を純粋培養することでその能力を利用してきました。しかし、自然環境中では微生物が単独で生育していることは珍しく、ほとんどは多種類の微生物が共存して生育しています。このような微生物コミュニティーでは、純粋培養では得られない機能や、高い生物活性を有している可能性があります。コミュニティー内の微生物間の相互作用や代謝を調べ、得られた知識を活用することで、バイオマスを効率よく分解・変換する技術を生み出す研究を行っています。

 

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