【研究テーマ】微生物酵素で有用な糖質素材を作る

山梨大学 生命環境学部 地域食物科学科
教授 舟根 和美
ホームページ http://www.scrs.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2018/08/funane.pdf

 微生物酵素で有用な糖質素材を作る

山梨大学大学院医学工学総合研究部

教授 舟根 和美 電子メール:fkazumi@yamanashi.ac.jp

  糖質はヒトの主要なエネルギー源であり生体の構成成分であるだけでなく、様々な機能性や物性を利用して、多くの分野に活用されています。
  当研究室では微生物酵素を利用した有用なオリゴ糖類の生産方法の開発や、その機能性と利用方法の研究を行っています。オリゴ糖は整腸作用、抗う蝕作用、食味の改善、物性の改善等、様々な機能を有するものがあります。自然界には少量しかありませんが、工業生産によって大量生産して利用されているものも少なくありません。
 特に私が前職の(国研)農研機構食品研究部門(旧食品総合研究所)で研究を行ってきた環状イソマルトオリゴ糖・メガロ糖(注)(サイクロデキストラン、CI)に関する研究開発をさらに進めていく計画です。CIはブドウ糖がα-1,6結合した環状糖です。う蝕菌のグルカン合成酵素を強く阻害して歯垢をできにくくする抗プラーク作用や、難水溶性物質を可溶化したり、不安定な物質を安定したり、異味をマスキングするなどの包接作用がこれまでに見出されました。CIはショ糖を原料として、乳酸菌などが生産するデキストランスクラーゼによりデキストランを合成し、これを原料としてパエニバチルス属菌などが生産する環状イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼの作用で生産されます。また、CI生産菌は自身が持つα-1,6-グルコシルトランスフェラーゼの作用で、でんぷんからα-1,6-グルコース鎖を作り、さらにCIグルカノトランスフェラーゼでCIを生産する経路も持っています。これらの酵素はCI以外にもオリゴ糖を作ったり、糖鎖を分岐導入することにより多くの有用糖質を生産する能力を秘めていると期待されます。
(注):メガロ糖はオリゴ糖と多糖の中間サイズでおおむね単糖が10~50ないし100個から成る糖類です。

 

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