【研究テーマ】契約理論による組織の経済分析 地域社会のリスクと安全ネットの制度設計

山梨大学 生命環境学部 地域社会システム学科
教授 渡邉 靖仁
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農業経済と地域研究

山梨大学 生命環境学部 地域社会システム学科 渡辺靖仁
 
研究テーマ 農村社会の経済分析 地域社会のリスク低減手法 農家の保障需要の分析 海外経済連携協定と日本農業への影響 乳幼児向け食育教材の作成 地域社会の構成メンバーの特徴と変遷の調査
 
○地域の潜在力の計測と農山村再生への適用に関する研究
我が国の農山村の経済的・社会的な弱化になかなか歯止めがかかりません。もちろん、再生のための対策は、新たなビジネスの創出・従来のコミュニティの維持の双方で様々に行われています。私は、特に後者に注目して、その地域の住民が住まう地域の価値を,自ら簡易に再確認するための方法を研究しています。農山村における「誇りの空洞化」を抑止するためです。
このほど、これを「『地域の今』確認シート」の案としてとりまとめました。このシートは、地域を表層と基層に分け、通常は目に見えない基層の力を地域の潜在力と位置付けて、その潜在力と地域のすばらしさを住民が自ら簡易に感得できるように意図した一種の自己確認のための質問シートです。
まず、「農業への思い・日常生活への思い・地域の支援体制・自然への感受性・都市および地域内での関係性」の5つの分野を表層の力が顕在化するシーンと想定しました。そして、この5つの分野を支える基層の力として、1)「普通」を守る力、2)「普通」を継続する力、3)地元の「当たり前」を発見する力、4)仲間作りの力、5)外からの刺激を誘う力、6)外からの刺激を受け止める力、7)外からの刺激を取り込んで翻訳し、今までのものに付け加える力、8)自分たちの力によって今の場がつくられているとさらに気づく力、を基層の力と想定しています。こうした力を持っていれば、「伝統や歴史を敬いながら常に進化する共同体」になり得ると考えられるからです。
どのような地域であっても、その地の産業とコミュニティの維持は人の生活の基本にあります。例えば欧州の小国では条件不利地にも農業を維持するための様々な手当がなされています(写真)。主として国防を理由とするものですが、これに対する国民的な合意は、歴史と支配・被支配の構造が民族に染みついていることも背景にあるのでしょう。
振り返って日本の場合はどうでしょうか。農業経済学のアプローチによって、日本の農山村の諸課題に取り組み、人・集団・地域社会のありかたについて自ら考えるきっかけを作っていきたいと考えています。
 
      
 
     
 
 
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