【研究テーマ】ワーク・ライフ・バランス、福利厚生制度の経営的効果

山梨大学 生命環境学部 地域社会システム学科
教授 西久保 浩二
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最近の研究テーマの動向
 
ワーク・ライフ・バランスって何だろう?

 地域社会システム学科 教授 西久保浩二
 
 現在、日本企業、政府(厚生労働省、内閣府)、労働組合、そして研究者が一体になって、ワーク・ライフ・バランス(Work – Life Balance)の推進に取り組んでいます。
 では、ワーク・ライフ・バランスと何なのでしょうか。なぜ、注目を集めているのでしょうか。内閣府では、次のように問題意識で整理しています。
「仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に、家事・育児、近隣との付き合いなどの生活も暮らしに欠かすことができないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい、喜びは倍増します。しかしながら、現実の社会には、安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない、仕事と子育てや老親の介護との両立に悩むなど、仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られます。これらが、働く人々の将来への不安や豊かさが実感できない大きな要因となっており、社会の活力の低下や少子化・人口減少という現象にまで繋がっていると言えます。それを解決する取組が、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現です。(内閣府HPより抜粋)」
このように、仕事と個人生活、家族生活とのバランスを見直すことで、企業にとっては生産性の向上を、従業員にとっても充実した生活を実現するというWin-Winの関係構築のあり方をも模索しています(図1)。
 
図1 ワーク・ライフ・バランスの概念図
(振り子や天秤によるメタファーが多用される)

Platt(1997)を元に修正
 
 わが国のワーク・ライフ・バランスの進展をみる一つの指標として、育児休業の取得率があります(図2)。労働者にとって、出産とそれに続く育児は生活面での大きな負担となり、仕事との両立が難しくなります。負担の大きい時期に休業することで、育児に専念できるようになります。これは、女性だけでなく、男性配偶者も同様です。この取得率は年々、高まってきています。

図2 育児休業取得率の推移


資料:2005 年度までは厚生労働省「女性雇用管理基本調査」、2007 年度以降は厚生労働省「雇用均等基本調査」

まだ、男性は低い取得率ですが、徐々に上昇してきていることがわかります。「イクメン」という言葉を
テレビ番組などの報道で聞くことも多くなりました。育児に積極的に関わろううとする男性がカッコよく見えるようになってきています。
   政府や企業、労働組合なども、この動きを後押ししはじめました。
しかし、以前として長時間労働を余儀なくされ、厳しい就業環境のおかれ
て、過労死やメンタルヘルスを害する労働者も数多く存在することも事実で
す。育児や、今後、増加する介護などの生活リスクにどう備えるか。
企業や政府がどう支援すべきか。また、仕事、そのものをもっと効率的に改
善することはできないのか。まだまだ、解決すべき課題も多く、問題の本質
を解明するための努力や研究が求められています。
 

図3 内閣府が推進しているプロジェクト
 

 

 


 

 


 

 


 
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